メインテナンスを続けていれば
歯をなくさない?
歯医者さんで歯周病の治療を行い、その後メインテナンスを続けていると本当に歯をなくさずに済むのでしょうか。
これは誰しもが気になるところだと思います。
我々、歯科医師も同じで世界で様々な研究がなされて報告が見受けられます。
代表的なものを抜粋したものを下記の表に示します。
メインテナンス中の歯の喪失率
(10年間で患者1人が失う歯の平均数)
Hirschfeld L & Wasserman B 0.8 Lindhe J & Nyman S 0.2 Becker W et al 1.1 Nabers CL et al 0.22 Costa FO et al 1.2 平均 0.7 ペリオバカ養成講座2 メインテナンス編 より引用
かなりバラツキはありますが、平均すると患者さん1人当たり10年間で0.7本、つまり約1本程度の歯を失っていると結論付けられます。
治療をしなかった場合どうなるか?
それでは治療をしなかった場合にはどうなるでしょうか?
治療をせずに経過観察を行っていた場合、Becker W et al の報告では10年換算で約3.6本の歯を失っており、Buckley LA の報告では2.5本と報告しています。
これらより、歯医者さんで治療を行わなかった場合にはざっくり10年で3本程度の歯を失うとみてもよいかもしれません。
つまり、歯医者さんで歯周病の治療を行い、その後もメインテナンスを続けることで歯の寿命は3倍延ばすことができます。
当院での治療の取り組み
歯周病の細菌たちはお口の中から全て追い出すことはできませんから、歯医者さんとのお付き合いが大切になります。
当院では患者さんの歯の喪失をなくすべく、以下のことに取り組んでいます。
- 定期的なレントゲンによる虫歯や歯槽骨のチェック
- 染め出しによるセルフケアの充実度チェック
- ルーペやマイクロスコープによる拡大視野下での虫歯のチェック
- 力のコントロールのためのナイトガードの使用
- 個人個人に適したメインテナンスの期間を提案
歯周治療は自転車の両輪のようなもので、歯科医師・歯科衛生士とともにセルフケアを頑張ってくれる患者さん本人が重要な役割となります。
当院で一緒に歯周治療に取り組んでみませんか。